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Maker Faire Tokyo 2026に出展する話

初めて作ったハードウェアをなんとなく出したら出展することになった!?Maker Faire Tokyoにソフトウェア畑の人間が出展してみました。

2026/8/17

出展概要

📛 出店名称そうまめの部屋(Soumame’s room)
📍 場所B-07-08
🛒 出展物ワイヤレス給電で書き換え可能な電子ペーパー名刺(Wirelessly-rewritable E-paper name badge (card style))
販売情報1日目、2日目に分けて、電子ペーパー名刺(すぐに使用可能)とソフトウェア

展示詳細

目玉:電子ペーパー名刺販売

ワイヤレス給電で動作し、好きな時にスマホで内容を書き換えることができる電子ペーパー名刺を紹介&数量限定 (30台を予定) で販売します! これ、マジで原価が高くって、結構苦労しています。現時点で動作検証などを行っていますが、もし動かなかったら、販売を断念する可能性があります。

NFCで遊んでみる展示

せっかくなので、今年の春あたりにいろいろ触って面白いと思ったNFCでできることなどを展示しようと思います。

AIと基盤実装した話の紹介

あと、先述のNFC基盤は、自分がAIと実装して作ったものになるので、そこの話もできたら良いかなと思っています。普段ソフトウェアを書くときはもはや当たり前にAIを使っていますが、ハードウェアの設計でも使いやすくなってきていて、今回作ったようなものも、誰でも作れるようになってきたなあと感じています。


日記

このプロジェクトを始めた経緯とかを全てここに書き残す。

2025年8月11日: 基盤1枚で動くハードウェアかっこいいなあ

普通にハードウェア作ったことないし、こういうのをできる人は天界に住んでいる人たちで、自分にはできないと思っていた。

DEF CONにはBadgeLifeという文化があって、なんかみんなイベント内でバッジをジャラジャラつけて見せびらかしている。基盤とかがベースになっていて、何かしら機能があるバッジが多くて、ピカピカ光っているような、いわゆるLEDが点滅するタイプだったり、普通に高度な計算などができるもの(なんなら画面がついていて、Linuxが載っているとか)もある。

Maker Faireにはここまでの熱気はないが、とはいえそういう人は少数ながらいる。 また、日本は名刺文化が強い国で、だいたいビジネスマンだとどこでも名刺を持ち歩いている。エンジニアだって同じだ。

なので、今回はバッジサイズのでっかいやつじゃなくて、あえて小さい名刺サイズに抑えて、日常的に自分のかっこいい基盤を見せつけられるようなキットを作ろうと考えた。

2月: Diver-X(現Melt Interface Technologies)に入社

ソフトウェアエンジニアとして入社し、Melt MouseというHIDデバイスのソフトウェア周りを中心に関わることになった。

今まで自分はソフトウェア畑でハードウェアの人たちと接する機会は少なかったから、すごく新鮮。めちゃめちゃ凄腕のハードウェアエンジニアがいて、学生とかでバイトで一緒にいる人たちも、CAD,回路図を使いこなしていて、すごい。バケモノエンジニア集団みたいな感じ。

ハードウェアを触ったことがないとはいえ、理解する必要も出てきたので、自分である程度お金をかけてでも学ぶ必要があるし、知識を得やすい環境にいられるので、今がそのチャンスだ!と思った。

4月1日: AIと設計した名刺が動いた!?基盤作成の始まり

ただ、サボり癖のある自分は、「面倒な作業を全部AIに投げられねーかな」と思ってしまった。このサボり癖はなかなか治っていなくって、ソフトウェアを作るようになったときのきっかけも、自分のサボり癖だったところがある。

普通に学ぶのもいいけど、AIに基盤設計させながら自分も少しずつ理解していけば良いのでは?と思い、Geminiに、Kicadという設計アプリの画面を見せながら、自分で1枚の回路基板を仕上げた。

先述の通り、基盤で作るバッジや、名刺のような、自分をアピールするアイテムを作るというのに興味があったので、名刺基板を作ることにした。そして、その名刺基板にディスプレイをつけようという話になった。

さらに、そのディスプレイをe-paperにすれば、電池切れの心配もいらないし、内容を好きなときに書き換えられるということも思いついた。

Image from Gyazo これはそれをGeminiに伝えて、教えてもらった時のやつ。途中からなぜかやたら褒めてくるようになった。褒めて伸ばすという教育者的な心の持ち主なのだろうか。

結果、とりあえず書き換えができる、MVP…(にも満たない気がするが)が完成した。

もちろん完璧に動くわけではなく、NFCでデータを書き込んだら、e-paperが更新された!っていうレベルのもの。

4月18日: ドローン名刺!?カッコよすぎる

このfumiさんって慶応SFCのfumiさんだよね…!?ってあとから気づいた。同じ学内にこんな人がいるとは…すごい。

基盤名刺に対するモチベが上昇

4月22日: とりあえず申し込んでみた。

Image from Gyazo

作りかけの名刺を出してOKが出るものなのか怪しかったけど、目標を作って、それに向けて頑張るというのが良さそうな気がしたので、とりあえず応募

5月28日: マジで!?

Image from Gyazo なんと通ってしまった。やる気が5倍くらいになった一方で、大学忙しすぎて全然作業できない…

5月31日: 迷走し始める

これはV3で、V2までの直したい点を盛り込んだもので、今の原型に最も近いものになる。

NFCで受け取った電気をためて回路を動かし、e-paper(電子ペーパー)の画面を書き換える仕組み。非接触で書き換えられるし、バッテリーがいらないので薄くできる。名刺みたいなデバイスにはちょうどいい。

実際に作ってみたら、画面を書き換えることはできた。ただ、AIと相談しながら進めていても、電力が足りない問題が出てきた。

なので回路を見直すことに。そもそもNFCでどれくらい電気を受け取れるのか、それをどうやってためるのか、というところから調べ直すことになって、結構試行錯誤した。

8月16日: V4発注

Image from Gyazo

これで動かなかったらかなりまずいのだけれど、とりあえず発注。前回よりコンデンサの数を大幅に増やし、フットプリントなどを再選定することになった。 ここでもAIを使って、LCSC(JLCPCB)の在庫リストからいい感じのフットプリントを自動で選んでもらい、それを使ってシミュレーションなどもしてもらった。

いくらシミュレーションしても動かないのがハードウェア…というところもあるので、確実に動くかどうかはわからないが、以前より信頼性は上がったはず。

あと、これを作るときに、ezsignの電子ペーパーカードをバラバラに分解して、どういう仕組みなのかなどを調べたりもした。

ezsignの既存製品。

これにメモリ領域があればURLとかを仕込んで、スキャンできるので完璧だったんだけどなあ…と思った。

Image from Gyazo

これ、結構すごくって、普通にアプリストアにあるアプリを使って書き込むことができる。

20秒くらいかざすとこんな感じで書き換わる。 Image from Gyazo バラバラにして、アンテナの形状、どれくらいの蓄電容量があるのかなどを確認した。

蓄電という言葉が自分は当初よくわかっていなかったんだけど、これを通して少し学んだ気がする。

自分が設計したものよりも全然効率が良いということもわかった。専用のチップなどを載せていたり、電気を貯めるのではなく、連続的に受け取った電気で交信をかけていくという方法をとっていたりする。すっげえ。

8月19日 ついに動いた

Image from Gyazo そして、届いた基板にファームウェアを書き込んで、かざすと無事に動いた。嬉しいと言うより、安心したというべきなのかもしれない。これが動かなかったらMaker Faireで動作品を販売するのはかなり厳しかったと思う。

8月23日 アプリ開発

動くことがわかったのでアプリを作ることにした。アプリを作るのは以前からやったことがあったが、ウェブアプリだったのでNFCのところは今までやったことがなく、挑戦する必要があった。

ただ、AIにコーディングをさせることで、ある程度なんとかなった。最近のAIは本当に人間がいらないんじゃないかと思うレベルで、自分はフレームワークにどういうものがあるかを知っていたので、「こういう方法で作って」と指示を出して作ってもらうようにした。

ただ1つ問題があって、iOSの場合はApple Developer Programに入って99ドル払わないと、開発用途であってもNFCを使うことができないという意味の分からない制限があった。そのためApple向けは途中で断念することになり、販売するアプリはAndroidのみの提供になりそうだ。 Image from Gyazo 作る上で難しいところはそこまで多くなかった。ただ、使い勝手で大事なところがいくつかあった。NFC名刺基盤の書き換えをいかに簡単にするかと、画質などのバランス調整は結構大事そう。
画質を良くしようとすると、1分くらいずっとNFCをかざし続けないといけない。速い設定でも15秒ほどかかる。市販品も15秒程度かかるので、そこは許容範囲かなと思った。
ただ、書き込み中は安定して15秒ほどかざし続けてもらう必要があるため、ソフトウェア側でエラー処理などをかなり調整する必要があった。まあでもいろいろいじったらその甲斐あって安定して対応できるようになり、販売の目処が立ったので安心。

8月25日: のぼり

Maker Faireの展示スペースは無課金だと結構貧相な見た目になってしまうというのを例年観測していた。テーブルとか椅子ですら課金しないと支給されないので、どうやったら比較的低コストでスペースを飾ることができるかを考えた。

結果、チラシなどを印刷するよりも、クソでかいのぼりを1つ作って、それをおく方が目立つということがわかった。そして、それ以外のテーブルとかは自分で持参する方が割安(車があるので)だということがわかった。

で、今日その注文したのぼりが届いたけど…wwwwww Image from Gyazo でかい。デカすぎる。 一応防火対策済み、規定サイズギリギリというところで今回のイベント仕様にしているんだけど…w

イラレはすでにライセンス切れ(Adobe税たかすぎ)なので、パワポで作ったんだけど、めっちゃこういう虹色の文字作れるんだよね。通りでパワポスライドはダサい傾向が高いのか 先に言っておくけど、自分はこういうデザインを製品に取り入れるのは好きではないからね。あくまでも目立つことを優先した結果がこれだっただけで。別に好んでこれを採用しているわけではないからね。

8月26日: 製品版V1の発注

目処が立ったとはいえ、一部改善点が見えてきたのも事実。ネジ穴とかもないので3Dプリンターとかでカバーを作って取り付けるとかもできないし、首から下げることもできない。

形状変更などを検討した結果、4箇所のネジ穴、首から下げるためのストラップ穴、商品を購入したユーザーが自分でプログラムを書き込むことができるようにするための追加のGPIOピンなどを追加。 これも全てAIがやってくれたのは本当にすごい。ちなみに色は黒色にしました。

フットプリント変更を迫られる

しかし、注文してみようとしたらエラーが。なんと前回の成功した試作基盤に使っているパーツ(ST25とSTM32)がないと言われた。Maker Faire10日前でこれはだいぶまずい。

JLCPCBで部品の実装を頼んでいる以上、補充を待つか、代わりの部品を探すしかない。代わりの部品は少し性能が落ちる(メモリ容量)けど、十分動きそうなものがあったので、それを選び直して注文した。

結果として、注文が遅れてしまい、MFT当日に間に合うか…?という状況になってしまった。

8月28日: 税関書類

Image from Gyazo 家族から「中国から怪しい手紙が」と言われたのでもらった。

中には五千五百円払えと書いてある。詐欺かな?と思ってみると、普通にこの前頼んだ電子ペーパーの請求が。

以前電子ペーパーを頼んだ時、china postで1ヶ月は余裕でかかっていたから、Fedexにしたんだけど、五千円も取られるのか…

普通に現時点で15万以上溶かしていて、かなり金銭的に厳しい。ここまでコストかかるとMaker Faireで仮に30枚全てを五千円で売ったとしても、元はペイできない可能性が高いんだよなあ。

とはいえ学習にかかるコストをすべて除けば、学びにかかったコストは割と大きくはないのかもしれない。大丈夫。15万円なんて将来一瞬でペイできるはずさ。 (と言いつつも、現時点の全財産が30万円くらいなので内心泣きそうになっている)

AIに全てやらせると言いつつも、AIが話す言葉をある程度は理解して(そして、理解するように努めて)、わからないところは確認して、指示を出す必要はまだある。

回路図の作り方から勉強したわけじゃないけど、こうやって作りたいハードウェアを決めて、ソフトウェア含めて自分(ほぼAIかもだけど)で全て作って、みんなが使えるような形にして、それを世に出して…という一連のプロセスを自分の手の中に収めることができる。そしてそれがたったの15万円で…と考えるとクソ安いのかもしれない。

8月29日: 間に合うか心配すぎる

Image from Gyazo 前回は4日で自宅に届いたので、余裕だろと思っていたが、どうやら注文した部品と色などが原因で、通常より時間を要するらしい。といっても…流石に1週間で届くよね…?

そう思いながらJLCPCBの注文履歴画面を2時間に1回くらいチェックしているけど、“manufacturing data finished”から進まない。これ、もしかして今日が土曜日だから、生産開始されるのは月曜日…? 最悪の場合、MFTが終わってから基盤が届く可能性が出てきた。これはまずいぞ。

…と言ってもできることは特にないんだけどね。急かしたところで早くはならない気がする。

8月30日: 締切ギリギリは良くない

結局急かした

昨日「急かしたところではやくはならない気がする」とか言って寝たけど、やっぱり急かしてみようということで急かしてみた Image from Gyazo 多分意味はない気がするけど、多分人間?っぽい(あるいはLLM)回答が返ってきて、 Image from Gyazo 予定時間が表示されるようになった。 Image from Gyazo しかしPCB実装は9月2日らしい。9月4日頃までに受け取っておく必要がある(前日なので)から、結構厳しいなあ…(現実を直視して焦りが倍増した)

のぼり

あと、最悪なことに、この間買ったのぼりに防炎対策をつけていなかった(つけたつもりだったけど、多分設定が消えてしまっていた。確認ミス)ため、再度発注する羽目になった。普通にチラシでいいかな〜と思ったけど、比べたら案外のぼりの方が割安な気がしてきたので、再度注文した。家にクソデカいのぼり(防炎なし)がすでにあるから、家族にこれ以上ガラクタを増やすなと言われた。防火なしのやつ、どうしようかな…

9月5日: Day 1終了!

バタバタしていて全然続きを書けていなかった。いよいよMFT当日。4日まではロジ周りのことをやったり、届いた名刺基板を組み立てたりしていた。(つまり、無事届いて組み立てもできた)

Image from Gyazo 組み立てはこんな感じ。届いた基板に電子ペーパーくっつけてFW書き込みを行って完成!というノリ。

って書いたんだけどXの文字数制限やばすぎて全然感想書けないからここに書きます。

1日目終了!ということで、たくさんのかたに見てもらえました!ここに書ききれないくらいいろいろ話したい! ソフトウェアの人でもいい感じにAIを使ってこういったプロダクトに落とせる時代になってきた…というか、今朝できるようになりましたね。 (GPT-6 Astra)

人間の仕事は、こうしたところで、自分の作ったものを見せて、手に取ってもらって、コミュニケーションを取っていくことなのかなーと勝手に思っています。ハードウェアってソフトウェア以上にこういうことがやりやすいから、めちゃめちゃ楽しい経験だし、AIが作ったものを理解して、ちゃんと手綱を握れるようになりたいなと思った。

ちなみに、販売はそこそこ売れた。ぶっちゃけ全く売れないか、知り合い数名が買うくらいかなと思っていたけど、いろいろな人に買ってもらえた。

こうしてネットに上げていただいているかたも!超嬉しい。

あと、こういったハードウェアを売ることは初めてということもあって、めちゃめちゃヒヤヒヤしています。もしハードウェアやファームウェアが壊れていたら…って。何度も検証はしていますが、ソフトウェアみたいに「置き換えればいいや」では済まないわけで。

自分は Melt Interface Technologiesというところ(Maker Faireのスポンサーでもあります)でアルバイトしているんだけど、ソフトウェアエンジニアをやっているだけでは見えないようなことが見えてくる。壊れていたら直せばいいんだけど、一度売ったものは簡単には置き換えられないし、送り返してもらうにしても、めちゃめちゃコストがかかる。

こんな世界でみんなものを売ってるのか!?と思った一方で、形になったものを売って使ってもらえるっていうのはめちゃめちゃ嬉しいよなあと思ったりしています。

ぶっちゃけ1枚あたりの販売価格が5000円で、自分としてはめちゃめちゃ高いと思っている。もちろんこういうところで売っているものなので、法的な保証はついていないんだけど、それでも自分の名前で売ったものなわけで、壊れていたら困るし、さすがに5000円出した人も騙されたような気持ちになるかもしれない。責任重大。

ただ、開発研究費なども含めてこの値段に設定していて、多分これでも赤字になるというのが痛いところ… Maker Faireでは、製作済み分を全て販売しようと思っています。

でも、人との出会いや経験で考えれば、めちゃめちゃ黒字なのかもしれない。明日も頑張っていこうと思う。

Image from Gyazo

9月6日: Day2, Maker fairを終えて

Image from Gyazo

iOSアプリ

当初はiOSを持っている人は買わないだろうし、諦めてもらおうと思っていたが、それでも5000円払ってくれる人がいて、流石に作らないとダメかという気持ちになった。いや、まず買う人がいないと思っていた。

幸い、自分はアルバイトで普通の学生よりは少し多めにお金をもらっていて、「お金がない」と言いつつも手元にお金があれば登録できる状況だった(ただ、19歳でクレジットカードの上限に達していたので、引き落としを待つ必要もあった)。赤字になるとはいえ売上金である程度の開発費用は回収できたので、なんとかお金は用意できた。

ちょうど昨日(5日)にGPT-6 AstraがOpenAIからリリースされていて、「Swiftとリリースの手続き面倒くさいなー」というのは理由にならなくなったw

試しにVibeで作ってみたところ、Androidとほぼ同等のものがほんの30分程度で完成した。おまけにAndroidのバグ修正も。すげえ。

あとはTestFlightに提出して、リリースを待てば、とりあえずベータ版として購入者に渡すことができる

追記:リリースされました

リポジトリのセットアップ

また、元々適当にやっていたこのプロジェクトだけど、10数人のコアなユーザーがいて、自分が何かを作るのを心待ちにしてくれているというのが嬉しくって、AIに適当に作らせたリポジトリもちゃんと整備しようと思うようになった 直したいところとか、改善したいところもあるし、指摘されたところもある。例えば、安定性はまだ改善できそうだし、特にNFC周辺はもっと良くできるところがある、と会場に来た専門家っぽい人にも言われた。(聞いた感じ、半分くらいしか理解できなかったけど、NFCの専門家みたいな人で、すごかった)Maker Faireって本当に色々な人が来てるんだなと思った。これは出店して初めて知ったことかもしれない。 物を売るという行為は責任を伴うし、場合によっては普通に展示するだけよりも、もっと人との距離を近づけてくれる…というか、近づかないと買えないよね、こんな何処の馬の骨が作ったのかわからないのに5000円もするデバイスを買おうとするなんて。それくらい自分を信用してくれているというのかって。

Image from Gyazo

9月12日: 振り返り

Maker Faireに出展してみて、めちゃめちゃいい経験になった。

ずっとソフトウェアエンジニアをやってきたけど、今回はハードウェアも含めて「AIに作らせたもの」を出して、売って、手に取ってくれた人たちと直接話した。正直、出展審査が通ったときは「自分がゼロから作ったわけでもないのに、他人の褌で相撲を取っているみたいで、本当に出していいのか?意味あるのか?」と結構悩んでいた。

でも、実際に出展してみたら、そんなに心配することもなかった。「君が全部作ったわけじゃないよね」とか「仕組みわかってないんじゃないの」と言ってくる人は一人もいなかったし、むしろ「ここをこうしたらもっと良くなるんじゃない?」とアドバイスをくれる人がいた。買ってくれた人たちも、AIを使って何かを作ろうとしている自分や、これから作るものに期待してくれているんだなと感じた。そうやって受け入れてもらえたのが嬉しかったし、出してよかったなと思った。

よく考えたら、自分だってAIを使いまくって開発しているソフトウェアエンジニアを否定することはない。ソフトウェアでもハードウェアでも、AIはあくまでも作るための手段なわけで。作りたいものがあって、今使える中で一番良さそうな方法がAIだったから使った。それで実際に形にできたこと自体に意味があったんだなと思う。

あと、自分に足りないものも見えてきた。NFCの専門家の人と話したときは、今のAIが出してくるものだけでは足りないところもあるし、AIの言っていることを理解して実際に使うには、自分の基礎知識もまだ足りないなと思った。ただ、それで落ち込むというよりは、もっと勉強したいという気持ちになった。

普段ソフトウェアエンジニアとして画面に向かっているだけだと、ハードウェアを作って売るってどういうことなのかとか、作ったものを通して人とつながる楽しさとか、なかなかわからなかったと思う。実際に出展していろいろな人と話したからこそ、自分に足りないものも、これからやりたいことも見えてきた。

何が言いたいのか

誰でもアイデアさえあれば作れる時代になったし、だからこそMaker Faireみたいに、作ったものを共有するのが大事なんだ!!!

Maker Faireに出て、いろいろ学べたり気づけたりしたのは本当にいい経験だった。

正直、出展費用も開発にかかったお金も結構な額になっていて、お金だけで見たら大赤字。とはいえ、来てくれた人たちに手に取ってもらえて、そのおかげで費用の一部も回収できたので、それだけでも出す価値は十分あったと思う。

今はアイデアさえあれば、誰でもものを作れるようになってきている。ソフトウェアはもちろん、ハードウェアの基板設計までAIに頼れる。全部任せるわけじゃなくても、近くに先生とか教えてくれる人がいなくても、手元のAIに聞きながらいくらでも独学できる。特に日本語でちゃんとやり取りできるAIがいるのはありがたい。「知識も技術もないから作れない」という壁はかなり低くなっていて、作りたいという気持ちがあれば、それを形にする方法は誰でも手に入るようになったなと感じる。

だからこそ、Maker Faireみたいに、自分が作ったものを人に見せて(show & tell)、直接触ってもらえる場所とそのスキルは、これからますます大事になっていくんだと思う。

今の自分には、こういう大きなイベントを開く余裕も力もまだないので、今回は出展する側として参加させてもらった。でも、いつか自分でも、みんなが作ったものを見せ合って、「自分も何か作りたい!」と思えるような場所や機会を作れたらいいなと思った。

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