誕生日なので、未踏ジュニア修了からの経過を振り返る
19歳の誕生日を迎えた、未踏ジュニア2024スーパークリエータの得丸創生です。未踏ジュニア修了後、あんまりネットとかを見ると音沙汰がないようにも見えるので、公開できる範囲で近況の報告をしようと思います。
この記事は、未踏ジュニアの振り返りを参考に書いた続きの話です。アドベントカレンダー記事としても書いています。
クリエイター支援プログラム「未踏ジュニア2024」を修了してから、ちょうど1年が経ちました。
独創的なアイデアを持つ小中高生クリエータに対し、各界で活躍するメンターやその他専門家による指導、また最大50万円の開発資金の援助を行います。
未踏ジュニア
さっき大学から自転車を漕ぎながら家に向かっていて、記事を書こうと思っていたのに書いていないことを思い出しました。なので、外のクソ寒い風で顔を引きつらせ、自転車をこぎながらGoogle Recorderで録音&LLMで書き起こして、ブログを書くことにしました。すれ違った人が私のことを二度見していたのは言うまでもありません。
しかし、寒さのせいか出来上がった内容が支離滅裂(文字起こしは合っている)だったので、結局内容を少し整理して書き直しました。未踏ジュニアを通して得たもの、こと、進路のこととか、うまくいったこと、うまくいかなかったことをめちゃめちゃ雑にまとめてみました。

ちなみにこれはこの前撮ったメンターである西尾さんとのツーショットです。自分の成果報告会はマレーシアから動画中継ということで写真がなかったので、2025年の成果報告会の際に改めて今年の成果報告会でメンターの西尾さんとツーショットを撮りました。ニッコニコですね。あ、ちなみに手に持っている修了証書は自分のではありません。
未踏ジュニアでやっていたこと
TutoriaLLM
未踏ジュニア期間中では、LLMを用いたプログラミング学習環境構築ソフト、TutoriaLLMを開発していました。
TutoriaLLMは、AIが提供する対話形式のチュートリアルを通じて、プログラミングを教える人と学ぶ人をつなぐソフトウェアです。プログラミングを学ぶ人は、ブラウザ上で、AIと話しながらブロックエディターを使ってプログラムを作成し、Minecraftなどのゲームと接続して試すことができます。先生は、チュートリアルを作成するだけで、場所や時間に制約されずAIが学習者に合わせたスタイルで多くの人に届けることができるようになります。
未踏ジュニア
詳しいことは発表の時とかにたくさん喋っているので、ここでは割愛します。

初めて作る本格的なWebアプリでしたが、AIの助けも借りて一応使える段階まで実装でき、未踏ジュニアのスーパークリエータの認定を受けることができました。また、その後の大会等にこれをそのまま出して受賞することなどもできました
あれから1年後
発表した1年前は「将来的にプロダクトを出して、不特定多数の人に使ってもらう予定」だとか言っていたのですが、色々な困難に直面して、結局開発は停止しています。
世界中の、いろんな人に助けてもらいながら作っているので、周りの人に見捨てられるまでは続けていこうと思っています。また、ソフトウェア自体はオープンソースですが、営利目的で使うことも想定して、将来的にそういう現場にアプリを投入して実際に続けていきたいなと思っています。 - 未踏ジュニアの振り返り
原因はまあ色々あるけど、一番大きかったのは技術の急速な進歩で、やる気がなくなってしまったのが大きいです。
当時は、AIがブロックの位置を視覚的に認識することが難しかったため、ブロックを一度文字データ化して読み取らせるという技術を使っていました。しかし、あれから1年経った今ではAIは画像をそのまま認識してコードを理解し、出力までできるようになりました。なんならAIが画像に注釈とか文字を加えて、画像としてスライドを出力することさえできるようになりました。あの時必死で作った技術的アプローチは、AIの進化によって一瞬で不要になり、仕事は無くなりました。

一瞬これをAIの使い方を学ぶ教育プラットフォームで展開するという話も出ていて、実際に海外の方に打診されたことがあるくらいなのですが、そう言ったものは世の中にたくさんあり、競合があるということでモチベーションがあまり湧きませんでした。
さらに、TutoriaLLMと似たソフトウェアが、Scratch財団で開発されているというアナウンスも出てきました。
Imagine if every child could design their own creative assistant that reflects how they think, what excites them, and how they want to learn. We’re bringing that vision to life through an AI-powered tool that puts creative control in kids’ hands. Whether they want a debugging assistant, a storytelling partner, or a discovery tool to find peers and projects, young people decide how their assistant helps them create. For nearly two decades, children have been using Scratch to create, connect, and
Scratch Foundation
自分の作ってきたものは世界に通用するものなのかもしれない、と思ったのと同時に、それまでは誰もやったことがなかったかもしれないけど、そうでなくなったというのを認識させられました。
たった一人の学生初心者が、知識量が圧倒的な人たちが作っているものやAI(LLM)の進化速度に対抗してメンテナンスし続けるのは現実的ではなく、やる気を失ってしまったので結局、やめました。
今はGitHubで放置されていますが、興味はあるので、そのうち動かそうと思ったらまた更新するつもりです。
「何を作ったか」よりも「誰と出会ったか」
という感じで実際にSTEM教育界隈とかで、大人顔負けの成果を出せたわけではないし、作ったもの自体は未完成に近いわけですが、それでも自分にとっていい経験になったこともありました。というかここからが大事です。
自分が未踏ジュニアで得られた最も大きなものはお金でも、技術でもなく、人とのつながりでした。
作ったもの自体は陳腐化しましたが、その成果物のおかげで世界中の色々な人と知り合うことができました。そして何より、「自分が本当にやりたいことは何なのか」を深く考えさせられるきっかけになりました。
作ったものをBlockly Summitというところで発表したり



DEF CONというハッカーが集まる楽しいところに行かせてもらったり

プログラミング自体は始めてまだ1年そこらでしたし、技術力そのものが評価されたというよりは、そのプロセスや姿勢を見て「頑張ったね」と評価してもらえたのだと、今では思っています。
そして、そのプロセスを色々な人に見てもらうことで、新しい人と繋がることができました。人が頑張っている姿を応援してくれる、優しい大人が世の中にはたくさんいます(もちろん優しくない人も多いけど)。
特に、先述のBlockly Summitはとても大きかったです。
Blockly Summitは、当時GoogleのCS教育部門が開発していた(今年2025年に開発がRaspberry Pi財団に移行)ブロックプログラミングのフレームワークで、Scratchを含む世界中のブロックプログラミングガチ勢みたいな人たちが集まっているところでした。
それまでは自分1人で「多分自分の作っているものはすごい」と勝手に思っていたけど、実際に人に対してそれを見せて、フィードバックをもらったり、話したりすることで色々なことを知ることができました。実際に自分が作っているものが案外そのグループ内でもすごくて、ちゃんとやれば世界を少し変えられるくらいの力があることもわかりました。
また、チームで何かを作ることのすごさも見てきた気がします。自分が1人でやっているのに対して、彼らはグループで、人生のうちの数%、いや、何割かを費やしているくらい熱心な方達で、同じ志を持った人が集まってみんなで何かを作るのは大事なんだなと。そして、世の中って案外、こういう数人のグループが生み出したものが基盤となって形作られているんだなと。もちろんその周辺にも人はたくさんいて、そういう人たちの協力は不可欠だけど、数人のめちゃめちゃやる気がある人たちが意思決定を下しているわけです。
さらに、作ったものを伝えることの大切さにも気づかされました。よく、自分の作っているものを完成するまで見せない人がいる(自分もそうだった)と思うんですけど、こんなに変化が早い世の中でそんなことをやっていると多分負けるし、それがうまくいくとは限らないので、とりあえず、いろんな人に見てもらうこと(もちろん全ての人がいい人とは限らないけど)で、何か良い機会が得られる可能性が増えると思うようになりました。
これは未踏ジュニア、アプリ甲子園、今回のBlockly Summit、全てに共通することかなと思いました。自分は発表するのとかは緊張するし、緊張が爆発して言いたいことを全て忘れるような人間なのですが、それでも発表する必要はあるし、緊張していても工夫次第でいくらでも伝えることができる。
そして、こうやって人と繋がると、自分の存在を認知してもらい、何か次の機会につながる可能性が上がると思います。少なからず影響があったかと思います。というか、確実に影響がありました。
進路
てことで次は進路の話です。進路についてはすご〜く悩みました。
学校を終えた後、進路をどうするかはだいぶ悩みました。こうやっていろいろな世界を見たおかげで、昔は当たり前のように「大学に行くのかな」と考えていたのですが、それは自分にとって必要なのか?と疑問に感じることもあります(結果として、大学進学を考えていますが)。 - 未踏ジュニアの振り返り
去年こんなことを言っていて、卒業してから大学に行くことを決めたのですが、それ以前からいくつか候補はあって、未踏ジュニアから行く方も多い慶應義塾大学環境情報学部(SFC)に入学しました。

(着慣れないスーツで入学式)
SFCに行った理由
理由は色々あるけれど、
- 分野を横断することが容易
- 一応英語で授業が受けられる
- 知っている人が多い
- 未踏ジュニアが優遇されている(自分の受験方式は明示的に優遇されてはいなかったけど、多少影響はあったと思う)
- 入学要件を満たしている
のが大きいです。
未踏ジュニアが優遇されている件については鵜飼さんが今年のアドベントカレンダーにちょうど書いているので、そちらをどうぞ。
この記事は未踏ジュニアアドベントカレンダー10日目の記事です。 adventar.org 未踏ジュニア代表の鵜飼です。未踏ジュニアを2016年に立ち上げて、今年がちょうど10年目でした。よく誤解されますが、未踏ジュニアはIPAが行い、未踏ジュニアのメンターが卒業している未踏事業とは異なり、100%民間企業スポンサー様のご支援で成立しているので、10年間も続けることができて本当に感謝しています。もしご支援いただける企業様ありましたら jr@mitou.org までご連絡いただければと思います。 2025年度のスポンサー様 最近、
note(ノート)
まあ、入学要件を満たしているというのは大きいです。
私はマレーシアのインターナショナルスクールを卒業しているのですが、この学校、オーストラリアの教育を提供する学校がマレーシアにある、という感じで、日本の大学を受験する場合、なかなか受け入れてもらえないことがあります。特に国立はNGでした。やっぱり、日本の大学入学要件はそこまで考慮されていないというか...ここから行ける学校って結構少ないんですよね。盲点でした。ただ、そこのところSFCはすご〜く柔軟にやってくれるので、ありがたかったです(帰国生入試とは別で、GIGA入試というのがあって、留学生とか中心に結構受け入れている)。
よく帰国生は受験は超簡単で、人生勝ち組だなんて言われていましたが、実は私は慶應以外の学校では、出願資格なしとか、そもそも成績が悪くて全部落ちているので、全然勝ち組になれませんでした。ああ言っているのは、本当に学校のテストで100点取るのが当たり前の人なので...
帰国生であることはあまり強みにならない時代になってきている(実際慶応も来年から帰国生制度の廃止、縮小の方向に動いている)と思うので、海外に行っている方は気をつけたほうがよさそう。自分は海外に行って得られたのは語学とサバイバル能力で、受験に関してはむしろ不利になってしまいました。
まあでもいきたいとこに行けたので結果オーライです。行けなくても自分のやりたい方向で進める予定だったけど、色々とできることが増えるので嬉しいです。
また、オーストラリアの大学にも受かっていました。折角海外で受験して、受かっていたわけで、海外大行きたい!という謎の欲があった私はそっちも検討しましたが、学費が高いし、どう考えても実家暮らしでSFCに通う方が学業に費やせる時間が多いので、SFCにしました。学業に打ち込める環境があるというのは本当に幸せです。
今一番コミットしていること
大学入学後、生活は大きく変わりました。未踏ジュニア期間中みたいに、学校で内職してコードを書くと言った愚行...学業を疎かにすることはせず、真面目に勉強をすることにしました。まあ高校までは、進路がどうにかなればあとは課外活動としてやるのでも良いかなと思っていたのでそんな感じでしたが大学は自分からアクションを起こす場所であり、機会を得る場所なので、この4年はそれに集中していこうと思っています。
もちろん、大学に入るだけ入って個人でやりたいことに熱中する人もいます。4年間のモラトリアムとか言っている人もいますし。特に自分のいる学校は、多分名前が日本の中や、アジア圏では有名で、その名前だけのために入る人が少なくないような気がします。ただ、就活を大してする気がない(やったとしてもうまくいく気がしない)私にとっては学校のブランドはそこまで重要ではなく...そこで何をやったか、誰と出会ったか、みたいなところを大事にしていきたいと思います。
大学の授業
大学卒業後は英語を多少話せるというのも活かして日本だけでない場所でも色々活動していきたいと思ったりもしているので、選択肢を潰さないためにも(例えば、海外の大学院とか)成績はちゃんと取っておこうと思います...
数年前の自分は授業が面白くないと注意が散って全然覚えられない現象が起きていたのですが、大学は素晴らしいところで、自分の学びたいことが学べるので、そういう現象が一切起きないんですよね。SFCの先生、みんな面白いし、本当いいところです。
それに加え、英語の授業もあって、先生にもよりますが、ちゃんと日本にいながら英語で授業が受けられるので、英語も忘れずに済みそうです(それでも自分で勉強する必要はあるけどね)。
遊びまくって自分の世界を見つける
日本にいると大学生は遊ぶべきだと言われたことはあるのですが、いやいや、遊んでるだけじゃ意味ないでしょ、と思っていました。でもあれは捉え方によっては本当なのかもしれません。まあ遊びと言っても、大学の授業で面白かったものとか、研究会でほかの人がやっていることを真似して、勝手に延長して楽しくなっているという感じです。なので、捉え方によっては勉強のように聞こえますが、楽しいので、遊びなのです。別に誰も成し遂げたことがないような成果というものはないのですが、自分の興味の視野がどんどん広がっていって楽しいです。

最近は 3Dプリンターとか、ハードウェアとか、インターネットの仕組み(e.g: WWW)とか、今まで自分が触れてこなかったところに触れるようになりました。こういうのって1人で突然始めるのが、Webアプリ作ったりするのとかと比べてハードルが高いように自分は感じていて(初期投資が必要)、大学に行っていろいろな人から話を聞いて、興味を持ちながら手を動かすことができるようになりました。自分から動くのも良いけれど、こういった大学の授業とか、他人から耳にしたことのほうが、やる気が出ることもあります。

(この間Hack Clubが東京で作ったゲームの展示をやっていて、それを見に行ったり)
結局周囲の人に影響されて好きなものを見つけるというのが自分にはあるのかなと思いました。そして、自分は今まで遊びから興味を持って、それが伸びて、誰もやったことがない領域に達して...という感じに成長しているんだなということにも気づきました。

(ハッカソンでWebアプリ作ったり)
自分は以前は親から勉強しろと言われて「うえ〜」と言っていたような人間だったのですが、全てを遊びの延長として手を動かすようになったら、全部楽しくなりました。自分の好きなことばっかりをやっていられる環境に身を置けて、とても嬉しいです。(支えてくださった方にも感謝感謝!)
え?そんなの遊びじゃない?もっとゲームとかやれよって?
...そう思ったので最近家族に貸していたWindows PCを取り返して、ハンコン買って、レーシングゲームとかで遊ぼうと思っています。なので、ちゃんとゲームもやっています(?)一緒に遊びたい人、ぜひDiscordサーバーに参加してね!
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Discord
今日聞いた曲
何かまた閃いた
暗闇を抜け出した先はカラフルに光っていて...そんなことはないかな?
世界から知ることもできない 不確かな未来へ舵を切る
最近の目標
未踏ジュニア終了後、短期的な目標といえば先述の大学に行くことだったんですけど、大学に行き始めて、自分が何のために生きているのかを考えたくなりました。今19歳なわけで、いつ死ぬかわからないし、何をするかを考えておきたいわけです。
親が自分を生んで、この世の中に勝手に出てきただけの存在。そこに最初から意味なんてないのかもしれませんが...やること決めないとやる気出ないし、このことについて考えるだけでも生きる理由になるし。
卒業して、就職して、定年退職して...という父親世代の生き方を真似するというのも考えたけど、どう考えても今のAI時代にこれをやったら自分が折れるか世界の変化についていけなくなるので、自分は自分の生き方について一生悩みながら、過ごしていくのだろうと思いました。
最近の考え
人はなぜ動くのか、適当になぐりがきしてたら思ったんだけど、たくさんの人間を一つの要素と見なして、地球全体(あるいはそれ以上)を一つの意志を持った生き物だと考えたら、人の目標ってシンプルに 「生き延びること」 なんじゃないかと。
でも、1つの要素としてただボーっとしているのではなく、「集合知能を持った人類という生き物が生き残るための、最善の努力をする1パーツ」 として機能したい。
なので、その方針に沿って生きていけばとりあえずはいいかなぁ。
10代最後の年、2026年も楽しくやっていければと思います、よろしくお願いします。
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